自然乾燥は髪が傷む？はげる？乾かさないメリット・デメリットを解説

めんどくさいドライヤーの手間を省ける

習慣である毎日のシャンプーを終えた後は、ヘアケアに加え、スキンケア・ボディケアなど大忙し。仮に、1日10分ドライヤーを使用したら、1年で60時間超・およそ2日半もの時間を費やしていることとなります。

髪を自然乾燥で仕上げると、ドライヤーの時間をカットできるため、夜時間をゆっくり過ごせます。加えて、お風呂あがりの温まった身体でベッドに潜り込めるのも◎

またロングヘアの方や髪の量が多い方にとって、ドライヤーを何分も持ち続けるのは、辛いところ。髪を自然乾燥に任せると、ドライヤーによる腕の疲れもセーブできるでしょう。

ドライヤーによる髪への熱ダメージをセーブ

ヘアアイロンやコテよりも穏やかではありますが、ドライヤーの温風でも髪は傷みます。

髪の毛はほとんど、たんぱく質で構成されており、水気を含んだ髪はおよそ60℃からダメージを受けると言われています。
自然乾燥だと、濡れた髪をドライヤーの熱に晒さず、髪を乾かすことが期待できるでしょう。

なおドライヤーで乾かす場合でも、頭髪とドライヤーの距離・ドライヤーのかけ方に気を配れば、髪に熱ダメージを極力与えずに乾かせます。

濡れた髪はデリケート。乾かさないことでヘアダメージに

髪の毛は、お肌と同じ弱酸性。水に濡れるとphが中性～弱アルカリ性に傾くため、それに伴い、髪表面にウロコ状に重なっているキューティクルが開きます。
開いたキューティクルは摩擦や引っかかりにとても弱い状態のため、少しの刺激で傷ついたり剥がれたりします。

キューティクルが傷つき剥がれた髪はパサパサ感が出たり、ツヤの低下・手触りの悪化を引き起こすばかりか、髪内部の成分流出を招いてしまう結果に。
そのため、濡れ髪を長時間放置したり、あまつさえ自然乾燥で仕上げてしまうと、それだけでダメージの目立つ髪になってしまいます！

自然乾燥によりヘアカラーの色持ちが悪くなる

美容室で髪を染めてもらった後、美容師さんに「ヘアカラー後のシャンプーは翌日以降」と、アドバイスをもらった経験はありませんか？
これは、ヘアカラーの作用する部分と、キューティクルのメカニズムによるもの。

髪は3層構造になっており、ヘアカラーで色づくのは1層目、キューティクルの内側付近までです。
キューティクルは濡れると開く性質を持つため、髪を洗う度に、キューティクルの内側から染料が少しずつ抜けていきます。

1～2ヶ月で黄色っぽく、あるいは赤っぽく色落ちするのは、キューティクルの開閉による染料流出が起こっているためなんですね。
こういった仕組みを踏まえると、濡れた髪を長時間放置する自然乾燥は、1～2ヶ月と言わず、もっと早いスピードでヘアカラーが色落ちする可能性があります。

ドライヤーをしないと寝癖や毛流れの悪さが目立つ髪に

寝癖や毛流れの悪さは水素結合と呼ばれる、水分子の結びつきによって引き起こされます。
髪の水素結合は、水に触れると切れ、髪が乾ききる直前に再び結びつくといったもの。

そのため、ドライヤーを使わないまま髪が乾いてしまうと、ハネたりうねったりといった湿気の影響を受けた髪に。
加えて、自然乾燥状態や生乾きのまま就寝してしまうと、毎朝寝癖直しが必須な髪となってしまいます。

自然乾燥により髪・頭皮がにおう可能性も

髪の毛のニオイは室内環境によるニオイ移り、頭皮のニオイは雑菌の繁殖によるものです。

髪が濡れている状態が長く続くと、開いたキューティクルから髪の内側へ、ニオイ物質が入り込みます。
料理の匂いやタバコの煙など、室内のニオイは様々ですが、いずれも水より物質サイズが大きいものがほとんど。

そんなニオイ物質を取り込んだまま髪がゆっくり乾くと、ニオイをまとった残念ヘアになってしまうんですね。

また頭皮には、表皮常在菌など多くの菌が存在しますが、中でもニオイの原因となりうるのが、悪玉菌である黄色ブドウ球菌。
頭皮の汗や皮脂をエサにし、悪臭を放つ分解物を排泄します。

黄色ブドウ球菌は、皮膚がアルカリ性に傾くと増殖するため、湿ったままの頭皮は絶好の繁殖環境。
湿り気の多い頭皮を放置すると、表皮常在菌のバランスが崩れるとともに、黄色ブドウ球菌によるニオイのリスクも伴うといえるでしょう。

フケ・かゆみ・脂っぽさといった頭皮トラブルの可能性も

頭皮の表皮常在菌バランスが崩れると、ニオイだけに留まらず、フケ・かゆみ・皮脂の過剰分泌といった、頭皮トラブルに繋がる恐れがあります。

健康な頭皮は、表皮ブドウ球菌やアクネ菌などによって弱酸性に保たれていますが、水気の多い頭皮は、アルカリ性気味。
黄色ブドウ球菌・マラセチア菌といった、悪玉菌が繁殖しやすい環境となります。

黄色ブドウ球菌はニオイの原因になるほか、頭皮の炎症を引き起こす可能性も。

マラセチア菌は皮脂をエサにするカビの一種で、増えすぎてしまうと、フケ・脂漏性皮膚炎しろうせいひふえんといった、頭皮トラブルに悩まされることになります。
特に脂漏性皮膚炎は、抜け毛・薄毛といった深刻なヘアトラブルに繋がる恐れも！

また頭皮をはじめとした皮膚表面に乗った水分は、蒸発する際に皮膚の内側（角質層）の水分まで奪っていきます。
過乾燥と呼ばれるこの現象により、自然乾燥にさらされた頭皮は、カサつきの目立つ状態に。

カサつきを緩和しようと頭皮の皮脂分泌が多くなり、皮脂を好む悪玉菌が増え、ベタつきが頭皮から髪にも伝わる……といった、頭皮環境悪化スパイラルに陥りかねません！

ヘアドライタオルを使って髪の水気を急速吸水

ヘアドライタオルとは、吸水効果の高いマイクロファイバーや綿を用いた、厚みのあるタオルのこと。
ゴシゴシせずとも押し当てるだけで、洗いあがった髪の余分な水分を、スピーディーに吸い取ってくれます。

また、ズボラさんにはキャップタイプがおすすめ！お風呂あがりにすっぽりと被るだけで、滴り落ちてくる水気を吸収してくれますよ。

ジャンボコームを通して毛先に水気を集めて

ドライヤー前のブラッシング時、目の細かいクシやブラシを髪に通していませんか？
ご説明の通り、濡れた髪はキューティクルが開いているため、少しの摩擦でダメージを負ってしまいます。

水気の残る髪には、目の荒いジャンボコームがベター。

分け目を整えつつ、髪の根元～中間付近に留まった水を、毛先に集めることが可能となります。
また、洗い流さないトリートメントを塗布した髪にジャンボコームを通すと、より均一に行き渡るでしょう。

速乾成分配合のブローミストで効率よくヘアドライ

揮発性の高い成分が配合されており、髪が乾く際に水気も一緒に連れ出してくれるミストです。

エタノールを用いているタイプが多いため、ブリーチや縮毛矯正を繰り返している髪には、非推奨。
地毛もしくは暗めのヘアカラーで、スピードドライを目指したい方におすすめですよ。

風量たっぷりなドライヤーならスピーディーなドライが叶う

ドライヤーをかけるまでの下準備をいくら念入りに行っても、肝心のドライヤーがパワー不足だったら、乾きの遅さにもどかしさを感じてしまいます。

いま使っているドライヤーは風の勢いが足りない……とお考えの方は、速乾ドライヤーへの乗り換えもご検討ください。