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貸借対照表 (BS)とは|ファンダメンタル分析 を 投資 に活かそう!-その2-

2022年12月07日

貸借対照表 (BS)とは|ファンダメンタル分析 を 投資 に活かそう!-その2-

貸借対照表 (BS)」とは、企業の経営活動における財務上の結果を報告する財務三表のひとつです。

( 財務三表 とは、「 貸借対照表 」、「 損益計算書 」、「 キャッシュフロー計算書 」の3つです。)

貸借対照表 (BS)では、その企業の決算時における、負債と資産の状況を報告する書類です。

貸借対照表 (BS)に記載される内容は、企業の財務の健全性を判断する材料であり、倒産しない企業を選ぶためにも、投資する上で必ず押さえておきたい情報です。

この記事では、 貸借対照表 (BS)を自分自身で読み解くことができるように、内容と見るべきポイントをわかりやすく解説していきます!

この記事を読んで、気になる企業の ファンダメンタル分析 にチャレンジしてみましょう!

貸借対照表( BS )とは?

貸借対照表 (Balance Sheet)とは、会社が有する財産(負債と資産)の状況を書き記したものです。

その企業の"健康診断書"といっても過言ではありません。

上場企業は、この貸借対照表 (BS)を定期的に(四半期ごとに)報告することが義務付けられています。

有価証券報告書決算短信 というIRレポートに掲載がされていますので、企業のHP等で誰でも閲覧可能です。

この報告書を読むことで、企業が「どのような資産を有していて」「どれだけ借金(負債)を抱えていて」「それらをどのように調達したのか」がわかります!

貸借対照表 (BS)に書かれている内容

それでは、ここからは 貸借対照表 の内容について具体的に見ていきたいと思います。

まず、貸借対照表 は、資産負債純資産の3つの要素で構成されています。

貸借対照表の内容

貸借対照表の右側はよく”調達サイド”と呼ばれ、資金調達の手段を表しています。

中でも、銀行からの借入のような、返済が必要となる調達資金を負債

株式の発行によって投資家から調達した資金のように、返済が不要な調達資金を純資産と、それぞれ呼びます。

一方、左側は、”運用サイド”と呼ばれ、調達資金を元に保有した財産の運用状況を表しています。

調達資金を元に保有した財産のことを資産と呼び、現金や商品、所有する建物や土地などが含まれます。

次に、それぞれの項目についてもっと詳しく見ていきましょう!

資産の種類とその意味

資産には大きく分けて「 流動資産 」 「 固定資産 」の2種類が存在します。

それぞれの資産がどのような意味であるのか見ていきましょう!

資産の種類

流動資産

比較的短期間で資金を回収することのできる資産を流動資産と呼びます。

具体的には、その決算の発表日の一年以内に現金化されるもの(製品や受取手形)や、

資金そのものである現金、銀行預金が流動資産に該当します。

固定資産

回収期間が長期にわたる資産のことを固定資産と呼びます。もしくは、単に流動資産以外の資産を固定資産と考えていただいて問題ありません。

事務所のような不動産や、社用車、パソコン等の備品が固定資産に該当します。

負債の種類とその意味

資産の次は 負債 です。

負債には大きく分けて「 流動負債 」「 固定負債 」の2種類が存在します。

それぞれの負債がどのような意味をもつのかを見ていきましょう!

負債の種類

流動負債

短期的(その決算発表日から一年以内)に企業が返済しなければいけない負債のことを 流動負債 と呼びます。

例えば、商品を仕入れる際に、代金をツケで支払った時に生じる買掛金や、

不動産を購入したときの分割払いなどで生じる未払金・借入金のうち、支払い期限が一年以内の短期借入金などが該当します。

固定負債

一方、長期的に企業が返済しなければいけない負債のことを 固定負債 と呼びます。

返済期限が一年以上先になっている長期借入金や、資金調達の際に発行した社債、

退職金の支払いに備えて資金を引き当てている”退職給付引当金”などがこれに該当します。

純資産 の種類とその意味

純資産 は大きく分けて「 資本金 」「 利益剰余金 」の2種類が存在します。

※その他として新株予約権や評価・換算差額等という項目もあります。

それぞれの純資産の項目がどのような意味をもつのかを見ていきましょう!

純資産の種類

資本金

資本金 とは、株主から会社に対して出資した資金のことを指します。この資金に返済義務はありません。

ちなみに、銀行から受けた融資は、返済義務が必ずあり、資本金にはできません。

会社設立後に、新たに株式を発行して、投資家から資金を集める(増資する)ことで資本金が増えることがあります。

利益剰余金

利益剰余金 とは、企業が事業活動によって得た利益のうち社内留保したお金のことを指します。

基本的に、企業は毎年、利益を積み重ねて企業内に蓄積していきます。

この積み上げた利益は、設備投資や、株主への配当といった事業拡大、株主への利益還元に用いられます。

実際の 貸借対照表 をみてみよう! -任天堂株式会社-

以上が 貸借対照表 (BS)に書かれている内容の説明になります。

それを踏まえて、実際の 貸借対照表 (BS)を見てみましょう!

今回は任天堂株式会社(銘柄コード:7974)の2023年度3月期 第一四半期決算 を例にとってみていきます。

任天堂の貸借対照表

上図は、実際に任天堂が公式発表した、 決算短信 に書かれた 貸借対照表 の項目になります。

これら情報を精査して、わかりやすくまとめた図が以下です。

任天堂の貸借対照表のグラフ化

ファンダメンタル分析 したり、同業他社と比較したりする際は、上図のようなまとめを用意して行うと良いと思います!

こう見てみると、任天堂は 純資産比率約78% と財務基盤が非常にしっかりしていることが一目瞭然だと思います!

貸借対照表の分析と投資判断の関係

以上、 貸借対照表 (BS)を読むことで、企業の保有財産の状況を知ることができることを説明しました。

ここまでこの記事を読んできた中で、 貸借対照表 で分析したことと 投資 判断がどのように関係してくるのか疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。

原則として、投資先の企業が倒産してしまった場合、その株は価値を失ってしまうことになります。

したがって、投資先を選ぶ際は、いかにつぶれない会社を選ぶかが重要になってきます。

そこで大事になってくるのが、貸借対照表から得られる財務情報です。

それでは次に、”財務の健全性”という観点から、 貸借対照表 で見るべきポイントを具体例とともにご紹介します。

貸借対照表( BS ) で見るべき3つのポイント

貸借対照表 は企業の ファンダメンタル分析 するためにとても重要な情報源です。

そこで、 貸借対照表 を読む上で大事になるポイントを3つご紹介します!

”長期的な財務の安全性がわかる” 自己資本比率

自己資本比率とは、総資本に占める自己資本の割合のことです。(計算式は下図)

また、自己資本とは、純資産のうち、非支配株主持分を除いた部分になります。

基本的に、純資産額がほとんど自己資本と同じであると考えていただいて差し支えありません。

自己資本利益率とは

自己資本比率は、企業の財務の安全性を分析するために一番よく用いられる指標です。

一般的には、自己資本比率が高い方が負債(返済義務のある資本)が少ないということになり、中長期的に財務健全性が高い企業と判断されます。

”短期的な財務の安定性がわかる” 流動比率

流動比率とは、流動資産と流動負債の比率のことです。(計算式は下図)

流動比率とは

流動資産・負債は、それぞれ一年以内に現金化される資産、一年以内に返済予定の負債であることから、

流動比率は短期的な企業の安全性を測る指標としてよく用いられます。

”会社の資金繰りの状況がわかる” 有利子負債比率

有利子負債比率とは、自己資本に対する、利子を含めて返済しなければならない負債の割合のことです。

また、有利子負債には、短期・長期借入金や社債、リース債務などが含まれます。

有利子負債比率とは

一般的に、有利子負債が少ない方が安全性は高いと判断されます。

一方で、会社経営をする上で、借金をすることは決して悪いことではありません。

そこで、その借金額が正常の範囲内にあるのかどうか知ることのできる指標として有利子負債比率はよく用いられます。

ニトリHDの 貸借対照表 でみるべきポイントを確認!

以上、 貸借対照表 のみるべきポイントを見てきましたが、実際の上場企業の決算発表から、3つのポイントを押さえつつ、貸借対照表を確認してみましょう!

今回参考にするのは家具・インテリアの販売を手掛けているニトリHD(銘柄コード:9843)の 有価証券報告書 です。

ニトリHDは、国内大手にとどまらず、世界中に家具販売店を持っている、日本を代表する企業の一つです!多くのかたがご存じの企業ではないでしょうか。

それでは、実際に貸借対照表の中身とみるべきポイントを見ていきましょう!

ニトリHDの自己資本比率と純資産の内容

まず、ニトリHDの特徴としては、資産に占める 固定資産 の割合が比較的大きいところです。

これは、ニトリが家具の製造から運搬、販売までを自社で全て行っているため、工場や製作機械、倉庫、実店舗といった固定資産を多く保有していることに由来します。

次に、純資産の項目に注目してみると、自己資本比率が75%と非常に高い割合であることがわかります。

その分負債の割合が小さいということであるので、会社が潰れる可能性はとても低いと判断して良いと思います。

さらに、ニトリHDの場合、特筆すべきは、純資産の内容だと思います。

ニトリHDは、これまでに35期連続で売上高・純利益増加を記録しています!

その積み上げた利益として、利益剰余金が実に資産の7割を超えています。

このように長きにわたって利益を増やし続けられる企業はなかなかなく、

資産状況もかなり健全なので、長期にわたって株式を保有したくなる企業の一つですね!

ニトリHDの流動比率と有利子負債比率

次に、流動比率を見てみると、こちらも流動負債よりも流動資産の方が割合として大きいため、すぐに負債の支払いに困るような状況になるとは考えられません。

さらに、流動資産の中身を見てみても、その半分が現金預金であるので、より一層、短期的な支払いに困ることはないと言えます。(上図左半分)

また、負債のうち、有利子負債も自己資本に比べて13%と比較的低い部類です。(上図右半分)少ない借金で毎年利益を増やし続けていると考えると、非常によく経営されている証拠だと思います!


以上、 貸借対照表 の読み方と、 ファンダメンタル分析 への応用の解説でした!

貸借対照表を読み解くことで、企業の財務の健全性を調べることがができます!

特に長期的な目線で、株価の値上がり益を得ようとするのに必須の分析だと思います!

次はぜひご自身の手で、興味のある、業界や企業の ファンダメンタル分析 を始めて、投資判断に活かしてみましょう!

本記事について

貸借対照表 (BS)に関するQ&A

企業の 貸借対照表 はどこで確認することができますか?

基本的には、上場企業のHPに必ず、投資家向けのニュースリリース(IRニュース)がありますので、そこから確認することができます。

その企業がどういう資産を保有していて、負債としてどれだけの額を抱えているのか細かく調べることができると思います。

一方で、シンプルにそして視覚的にわかりやすく、その企業の財務状況を分析したい方であれば、各証券会社がサービス提供している 取引ツール を利用されるのをおすすめします。

PER・PBRやROE・ROAのような分析指標もまとめられていたり、株価の推移も同時に確認できたりと、とても分析しやすい仕様になっています。

その株を買うと決めれば、そのまま注文もできますので一石二鳥ですね!

特に、 「マネックス証券」 や 「SBI証券」 「楽天証券」 「auカブコム証券」 などは、情報が多く 企業の ファンダメンタル分析 にオススメです!

マネックス証券オリジナル 銘柄スカウター

 

マネックス証券 銘柄スカウターより

貸借対照表 と 損益計算書 は何が違うんですか?

貸借対照表は「決算時における企業の財務(資産と負債)状況」を報告する書類で、

損益計算書は「一定期間における企業の利益と損失」を報告する書類です。

貸借対照表では、企業の財務の安全性、健全性を、

損益計算書では、企業の収益の構造や、その効率をそれぞれ知ることができ、どちらも 投資 判断に重要になってくる情報です。

※参考記事:損益計算書 (PL)とは| ファンダメンタル分析 を 投資 に活かそう!

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